先日、AI時代にITエンジニアはどうキャリアに向き合えばいいのか?をテーマにしたイベントで登壇した。
https://alleeks.connpass.com/event/358893
私は「感情駆動」戦略でリスク低く(固定費を低く・一人で、自動化して)何かプロダクトを生み出そうという趣旨を発表した。
このAI時代、テキストチャットで聞けば何でも教えてくれるし、回答精度もそこそこ信頼できる。
なので、5年前(2020年頃)と比較して、Webアプリの完成までのハードルは低い。
プロダクトを世にアウトプットする中でしか学べないことがある。
正社員の方達にこそ、ぜひ会社の看板を外して「自分の名前で勝負する」体験をしてみていただきたい思いを伝えた。
すぐに答えを教えてくれるAI時代だからこそ、失敗から学ぶ経験の価値が高まっていると感じる。
知識は繋がっている。自分の守備範囲の狭さを痛感。
登壇者のタイプは大きく3種類だった。
・大企業勤務エンジニア
・海外スタートアップ勤務エンジニア
・教育サービス/開発会社起業家
聴衆は大きく
・「組織でキャリアを有利にしたい人」
・「ある程度、副業や企業も見据えた人」
に分かれた印象。
それぞれ興味のベクトルが違うので、登壇に求めるものも当然違う。
今回、登壇者の発表を見て、参加者の方と会話をした気づきは、登壇者の私自身の「知識範囲の狭さ」を痛感したことだった。
なぜなら、ITエンジニアのキャリアを多面的に捉えるのであれば、
・なぜAIが盛り上がってるのか?➡︎アメリカのスタートアップ界隈の投資マネーの動き➡︎トランプ政権スターゲート計画などの政治/政局の動き➡︎経済、国際情勢 など、一見するとITエンジニアとは全く関係ないようなことが相互に絡み合っている。
やはり質の高い発信をするためには、経験からだけでなく総合的な知識とキャッチアップが大切だと思い知らされた。
例えば、「開発者にとってコーディングはAIが担う作業になったので、より多く設計パターンを触れよう」という主張があった。
これは「SaaSスタートアップはAI爆速開発で価値が減少する。個人開発 or 大企業勤務の両極端になる」という主張にも繋がるのではないかと思う。
なぜなら、これまでWebブラウザでサービスを提供するSaaSサービス事業者は、開発者を何人も雇って人力でコーディングするのが主な仕事だったわけだが、コーディングエージェント等の技術でより少ない人数で開発できるようになった。SaaSサービス自体もAIのアップデートで提供価値がゼロになるリスクもある。
エンジニアにとっては、より安定した大企業思考か、もしくはリスクなく趣味の延長で活動できる個人開発の方がリスクとリターンが見合う時代になったということだ。
さらに、ITエンジニアのジュニア層の採用減少や、企業はコストを払ってジュニア層を教育するモチベーションを失うことにつながるし、一方では、私のような個人学習サービスの提供事業者によっては追い風になるように思える。
このように「コーディングのような単純作業はAIに任せよう。」というシンプルな一文から、
・SaaSの価値減少(スタートアップ投資界隈の動向)
・採用市場(中途採用と、中途社員の大きな技術教育の動向)
など、経験外の領域の知見があると、様々な物事のつながりが見えてくる。
より精度高く未来予測をしたり、それをYouTube動画で発信するのであれば、経験外・専門外の知見を貯めることが大切だと確信した。
SaaSスタートアップをより深く理解するためには、ストックオプション制度なども深く関係してくるだろう。
自分の頭にある「内部知識」で考えれる人になろう
ITエンジニア技術者のキャリアだけを見据えた人生の頃(30代中頃)は、勉強と言えばIT技術だけをやれば外さなかった。
キャリアアップのためにやることは明確。
例えば、資格を学習し、話題の技術本をチェックし、オライリーの書籍を教養と割り切り丹念に読み込み、QiitaとZennとXの技術トレンドをチェックし、たまに個人PCで何か動かしてみる。最近だとオフライン登壇活動とかも入るのかな。
しかし、IT技術系YouTuberの殻を破って、ITエンジニア出身のインフルエンサーとしてより発信力を高めていくためには、正解のない広い知識の海へ漕ぎ出していくしかないと確信した。
日本経済/世界経済、金融、投資、政治/政局、米国スタートアップ動向、国際情勢と歴史、、まさかこんな形で勉強しなければならない時が来るとは…
「聞けば何でも教えてくれるAI時代」はタイパやコスパよく悠々自適に生きていける…なんてのは残念ながら間違いだったようだ。
自分の目標がAI時代以前と比較して高い位置に置けてしまうからこそ、何でも調べて知識を吸収して、自分の頭にある「内部知識」で考え、判断し、AIを補助輪にし、未来を見据えた行動と判断ができる人こそ、AI時代の成功者なのだと思いました。
